減税を求めた政治人生 天春文衛という男


明治の始めに三重県で東海大一揆と呼ばれる大規模な一揆が発生しました。

その原因は農民に重くのしかかった税金です。明治になり地租改正が行われ、ある年の夏に三重県で大規模な洪水が発生します。この時、水に浸かった大量の不良米が発生したため米価は下落し、農家の収入は低下しました。しかし税金は以前の米価から算出されていたため、農民にとっては増税となってしまいました。

明治政府は一揆の発生を受けて減税を行ないました。また税負担に関する合意を形成するために地方議会を開設しました。

この際に三重県議会議員に選出されたのが天春文衛(あまがす ふみえ)という自由民権家です。

天春は衆議院の第1選挙で当選し衆議院議員となると、減税を求める議会活動を行います。

天春たちは地価を下げる事を目指し、「特別地価修正法案」を第1回議会で提案します。当時18,000名以上の請願署名を集めて、地価修正法の成立を求める請願書を提出するという運動が起きており、天春の議会内での行動はそうした大衆運動を背景にしたものでした。

天春はそうした運動のリーダーとなり「地価修正将軍」と呼ばれたのでした。

自由民権現代研究会で詳しく取り上げていますので、ぜひご一読ください。

自由民権運動の壮士たち 第1回 天春 文衛(三重県) 「減税将軍(地価修正将軍)」と呼ばれた男