学生・社会人が意識すべき三つの政治的視点


ややリバ通信含め、ここ数年でいくつかの草の根運動が日本で始動されました。
私が学生として、そして有権者として、「もっと前から知っておけば良かったな」「より多くの国民に意識してほしいな」と思った政治的な視点3つを、整理してみました。
保守自由主義者の方々にとっては常識的な内容に違いないですが、この「常識」が「世の常識」になるため、寄稿しました。
拙い文章であり恐縮ですが、ぜひご一読いただければ幸いです。

1「真の保守」と「実現可能な政策」を
アメリカの大学はもちろん、日本の大学もリベラルに傾いています。
環境保護を謳うグレタ・トゥーンベリの演説や人間に殺されるペットの映像などは、学生にとって頻繁に耳にする内容でしょう。
トランプの「白人至上主義」や「黒人差別」を説明する授業スライドはあっても、オバマゲートに関する授業スライドは無い。
これはメディアにも当てはまります。
リベラルの学者や教授の立場からすると、「世界にはこんな差別やこんな格差があります」というように”争点を作り”やすく、それがメディアや大学がリベラル化していく一つの原因であると思われます。
減税や規制廃止による発展を望む保守思想は、周知の通り日本でメジャーな考え方ではありません。
保守=極右というイメージが世に蔓延り、結局は「保守」の名の下で増税や規制強化が行われてきました。
私たちは、世界にとっての”保守の常識”を知らなければなりません。
加えて、学生が習う政治ないし経済理論についても、留意する必要があります。
高校や大学で研究する政治学問には建前も含まれており、実際に行政がどう動くか、今の政治体制で実行可能かという現実論までなかなか議論されにくいです。
レントシーキングを6つの型に分類・解説し、トンデモ理論の抗体になり得る公共選択論などは、一般的な大学生や社会人によって自発的に学習されている分野ではありません。
「理論上正しい」かもしれないが「現状の政治体制で実現不可能」なアイデアは多々あります(過去にもありましたし、おそらく今後もそのような理論は出続けるでしょう)。
もちろん一概にそうとはレッテル貼りできませんが、大学で学習した政治理論・経済理論や流行の経済論を議論する際、必ず「現状の政治体制で実現可能なのか?」「政治家はその理論に基づいて常に合理的な行動が取れるのか?」という実践とセットで考えたいところです。
(例:「MMTに基づいて行動させ、ハイパーインフレになる前に消費税あげれば良い」と考える際に、「果たして政治家は、合理的に消費税を動かすのか?利権団体との関係を優先しないか?」と検討する、など)

2 政治家が常に国民に監視される環境を
「僕は政治を変えたい。日本を変えたい。国会議員になろう!」と言っても、そう簡単にはなれません。
日本では、ほぼ世襲しか選挙に通らない厳しい現実があるからです。
古代ローマの元老院やコンスル(最高位にあたる官職)が世襲貴族に独占されたように、日本の自民党議員や官僚もおよそ三分の一が世襲によって構成されています。
そこで不可欠なのが、この界隈ではお馴染みの民間シンクタンク。
一つの政策に対し、官僚がファクトチェックを行い、独立した民間シンクタンクが解釈・提言を行うべきです。
渡瀬先生が再三主張されているように、この”独立した”という部分はマストです。実質的に官僚の下請けとなっている現在の総合研究所では無く、タカ派の専門家で構成された民間団体が望ましいでしょう。
さらに、政策機関に所属していない有権者でも、市へ請願・陳情・意見書提出をしたり、Twitterで実際に「~についての法案は提出しますか?」と真意を問いただすことができます(とりわけ地方議員は、リプライしてくれる可能性が高いです)。
「Twitterで軽く発言した内容、覚えてるぞ」「ちゃんと法案提出しただろうな」と国会議員にプレッシャーをかけることは、議員に真っ当な仕事をするインセンティブを与えるという点において、非常に重要です。

3 私たち国民が、より教養ある有権者に
「ミスター・リパブリカン」の異名を持つ然しものロバート・タフトですら、世論のエネルギーが追いつかず、選挙に3度落選しました。
政治家にインセンティブを与える環境や政策提言を行う民間シンクタンクに加え、私のような学生や社会人が、陰謀論に対する免疫と正しい教養を身につけなければなりません。
国民全員が政治・経済の専門家になる必要は無く、もはやデモクラシーにおいてその重要性を教え続けられた過半数ですら必須ではありません。賢い有権者が集まれば、得票率数%で勝利した政党でも、政局において十分な決定権を持ちます。
明治維新で頭角を現した人材が適塾(緒方洪庵が開いた私塾)でひたすら勉学に打ち込んでいたように、私たちも民間によるグラスルーツ運動の手を借り、政治家に舐められないような教養を身につけましょう。